維持管理・火災保険 最終確認・更新日:2026-10-11

空き家は火災保険に入れない?加入できる保険会社の相場と維持リスクをなくす方法

親が施設に入居したり亡くなったりして実家が空き家になると、これまで契約していた住宅用の火災保険をそのまま更新できなくなるケースが多くあります。人が住んでいない空き家は放火や漏電の発見遅れ、不法侵入のリスクが高いため、保険会社からは通常の「住宅物件」ではなく事務所や店舗と同じ「一般物件」として扱われるためです。

空き家でも加入できる火災保険の条件と保険料の相場、そして高い保険料を毎年払い続ける状態から抜け出すための解決策をまとめました。

1. 空き家が通常の火災保険に入れない理由と加入条件

損害保険会社の火災保険は、日常的に人が生活している「住宅物件」を対象に割安な保険料を設定しています。誰も住んでいない空き家は、別荘のように定期的に宿泊・管理している場合や、近いうちに転居・売却が決まっている場合を除き、住宅物件の火災保険には加入できません。

損保ジャパン、東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保などの大手損害保険会社で空き家の保険を契約する場合は、代理店を通じて建物の劣化状態の確認を受けたうえで、割高な「一般物件」区分で契約することになります。屋根の崩落や著しい老朽化がある場合は、一般物件としても引き受けを断られることがあります。

契約区分対象となる建物の状態年間の保険料目安(木造30坪)補償内容の特徴
住宅物件(通常の火災保険)常に人が居住している、または別荘として定期利用年間 1.5万円〜3万円前後水災・風災・盗難・個人賠償特約まで幅広く付帯可能
一般物件(空き家向け契約)無人だが施錠・管理されており老朽化が少ない年間 4万円〜8万円前後保険料が約2〜3倍に上がり、個人賠償特約が付かない場合がある
引受不可(加入できない空き家)築古で雨漏り・外壁崩落・管理放置がある状態加入不可台風での屋根飛散や放火被害もすべて所有者の自己負担

2. 空き家に火災保険が必要な理由と失火責任法・工作物責任の落とし穴

空き家で火災が起きた場合、日本の「失火責任法」では重大な過失がなければ隣家へ延焼しても損害賠償責任を負わないとされています。しかし、老朽化した空き家の配線を放置して漏電火災を起こしたり、施錠や枯れ草の管理を怠って放火を誘発したりした場合は、所有者の「重大な過失」や民法第717条の「土地工作物責任」が認められ、数千万円の損害賠償を命じられる危険があります。

さらに台風や地震で屋根瓦やブロック塀が崩れて通行人や隣家の車を傷つけた場合は失火責任法の対象外となり、民法第717条に基づき所有者である相続人が無過失責任として全額賠償しなければなりません。

3. 解決策1 借上げ運用で「人が住む家」に戻し、保険と維持費の悩みをなくす

空き家が火災保険に入りにくく保険料が高い最大の原因は「誰も住んでいないこと」にあります。空き家の借上げ運用会社に建物を預けて入居者に住んでもらえば、無人状態が解消されるだけでなく、建物の維持管理も任せられて毎月の家賃収入まで得られます。

毎年数万円の火災保険料と固定資産税を赤字で払い続けるよりも、人が住む収益物件へ切り替えるほうが経済的にも防犯上も安全です。

4. 解決策2 保険に入れない老朽空き家は現状買取か解体でリスクを断つ

築年数が古く保険会社から加入を断られてしまった空き家をそのまま持ち続けるのは、いつ多額の賠償トラブルが起きてもおかしくない危険な状態です。

今後誰も住む予定がない場合は、被害が出る前に空き家買取の専門業者へ現状のまま売却して所有権を手放すか、自治体の補助金を使って建物を解体し、火災や倒壊の心配を根元からなくしましょう。

まとめと状況別の相談窓口

この記事の要点
  • 無人の空き家は通常の住宅用火災保険に入れず、一般物件扱いとなって保険料が年4万〜8万円前後に高くなる
  • 管理放置による火災や台風での屋根瓦の飛散で近隣に被害を与えると、民法第717条の土地工作物責任等で多額の賠償責任を負う
  • 一括借上げで入居者をつけて有人化するか、専門買取業者への売却・解体で建物の維持リスクをなくすのが有効

空き家の処分や管理で損をしないためには、1つの方法だけに決めつけず、解体工事の見積もりや不用品処分の費用、現状のまま売却した場合の査定額を並べて比較することが大切です。ご自身の状況に合わせて、以下の無料窓口を活用してください。

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各市区町村が実施している空き家解体補助金の上限額、市内業者指定の有無、申請窓口の電話番号を地域別にまとめています。