空き家特例(3000万円特別控除)の要件と必要書類|令和6年〜令和8年改正とチェックシート解説
親から相続した空き家や敷地を売却した際、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度が「空き家特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例)」です。この特例を適用できれば、売却益にかかる約20パーセントの譲渡所得税・住民税を最大で約600万円節税できます。
さらに税制改正によって適用期限が令和9年(2027年)12月31日まで延長されたほか、売主が自分で解体しなくても「買取業者が買い取った後に解体工事を行う場合」でも特例が使えるよう要件が緩和されました。
1. 空き家特例(3000万円特別控除)の対象となる5つの基本要件
空き家特例を利用するためには、亡くなった親(被相続人)が住んでいた家屋の建築時期や、相続してからの利用状況について税務署が定めるチェックシートの要件をすべて満たす必要があります。申請前に必ず確認しておきたい5つの基本要件を整理しました。
| 確認項目 | 適用を受けるための必須条件 | よくある対象外・注意点 |
|---|---|---|
| 建築時期 | 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること | 昭和56年6月1日以降の新耐震基準の家は対象外 |
| 建物の種類 | 区分所有建物登記がされている建物(マンション等)以外の家屋 | 二世帯住宅で区分所有登記されている場合は対象外 |
| 居住実態 | 相続開始の直前まで亡くなった親が1人で住んでいたこと | 老人ホーム入所中でも要介護認定等の要件を満たせば対象 |
| 相続後の利用 | 相続から譲渡・解体まで事業・貸付・居住の用に供していないこと | 一時的でも賃貸に出して家賃を得ると対象外 |
| 売却期限・金額 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに1億円以下で売却 | 家屋と敷地をともに譲渡(または除却後に敷地を譲渡)が必要 |
2. 税制改正の重要ポイント「買主が事後解体しても控除対象」に緩和
これまでの空き家特例では、売主自身が引き渡し前に自費で解体して更地にするか、耐震リフォームを行わなければ3,000万円控除を受けられませんでした。しかし令和6年(2024年)1月1日以降の譲渡からは要件が緩和され、古家のまま売却し、買主(不動産買取業者など)が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに解体または耐震改修工事を完了させれば、売主側で特別控除を受けられるようになりました。
この改正により、売主が先に150万円から250万円の解体費用を立て替える必要がなくなり、古家付きのまま専門買取業者へ売却しても節税メリットを受けられます。ただし、買主による事後解体で特例を使う場合は、解体完了後の写真や閉鎖事項証明書などを買主から提供してもらう必要があるため、売買契約の前に必ず買取業者へ特例利用の旨を伝えて協力を取り付けておきましょう。なお、相続人が3人以上いる場合は1人あたりの控除上限額が2,000万円となります。
3. 確定申告の必要書類とチェックシートの手順
空き家特例の適用を受けるには、売却した翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間に、税務署へ「譲渡所得の内訳書」や国税庁ホームページで公開されている「被相続人居住用家屋等確認申請書・チェックシート」を提出します。
その際、物件がある市区町村の窓口で「被相続人居住用家屋等確認書」を発行してもらう必要があります。解体前・解体後の現地写真や、亡くなった親の除票住民票、電気・ガスの閉栓証明書などが必要になるため、建物を壊したり引き渡したりする前に必ず必要書類を揃えておきましょう。
空き家であったことを証明するため、解体前の外観写真と、電気・ガス・水道の閉栓日や使用量がわかる書類を手元に残します。
売買契約書や登記事項証明書、除票住民票などを添えて自治体の担当課へ申請し、確認書の交付を受けます。
国税庁の令和7年・令和8年対応チェックシートに記入し、確認書や売買契約書の写しとともに確定申告を行います。
まとめと状況別の相談窓口
- 昭和56年5月31日以前に建てられた実家を相続から3年後の年末までに売ると、最大3,000万円(相続人3人以上は各2,000万円)の控除が受けられる
- 法改正により、売主が自費で解体しなくても買主(買取業者等)が翌年2月15日までに解体工事を完了すれば特例の対象となる
- 自治体が発行する確認書には解体前後の写真や閉栓証明が必要になるため、工事や売却契約の前に必要書類を確認しておく
空き家の処分や管理で損をしないためには、1つの方法だけに決めつけず、解体工事の見積もりや不用品処分の費用、現状のまま売却した場合の査定額を並べて比較することが大切です。ご自身の状況に合わせて、以下の無料窓口を活用してください。
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各市区町村が実施している空き家解体補助金の上限額、市内業者指定の有無、申請窓口の電話番号を地域別にまとめています。